万年筆の使い方、お手入れ
万年筆の使い方とお手入れの方法をまとめました。
万年筆は、お手入れをしっかりする事で、一生ものの筆記具になりますが、お手入れを怠ると、故障の原因にもなります。
ボールぺンなどと比較して手間が掛かりますが、しっかりお手入れして大切にお使いください。
万年筆の持ち方
首軸の上部か、やや上をあたりを親指と人指し指で挟むように持ち、人差し指の付け根あたりで軸を支えるように抱え込みます。
軸は、45度~60度くらいに保ちます。万年筆は、やや寝かせたほうが書き易いですが、最適な角度は万年筆によっても異なります。
角度によって線の太さも微妙に変わりますので、色々試してみてください。
余程、酷い持ち方で無い限り、普通に書ける筈ですので、あまり、持ち方にこだわらず、まずがは、自分流に握って書いてみてください。
万年筆は、筆記角度などがシビアですので、壁にぶつかる事もあるでしょう。限界を感じたときに、直せば良いと思います。
持ち方は、長い間の習慣となっているので、簡単に直せないとお考えかもしれませんが、意外に直せるものです。
店長は、1ヶ月足らずで、握り方の矯正に成功しました。

キャップ
キャップを外したまま書くスタイルと、キャップを尻軸に取り付けて書くスタイルがありますが、バランスを見て選択すると良いでしょう。
キャップを尻軸にさした状態だと、重心が後ろ過ぎて書き辛いなら、外したほうが良いですし、問題ないなら、キャップは尻軸に取り付けたほうが良いでしょう。
キャップを尻軸にさして書くと、軸が傷つく事もあるのですが、以下のようなメリットもあります。
- 机の上に置いても、キャップのクリップのお陰で、回転して落下するのを防ぐ事ができる。
- 誤って落とした場合でも、重心が後ろ寄りになるので、ペン先から落ちる事の防止になる。
それから、ペン先を乾燥から守るため、長時間、使わないときは、キャップを付ける様にしましよう。
出来るだけ毎日使う
万年筆は、出来るだけ毎日使うようにしましょう。
暫く、使わないでいると、ペン先が乾いて書けなくなってしまいます。
また、何ヶ月も使わないで放置していると、インクが乾燥して、万年筆の故障の原因になってしまいます。
長期間使わない場合は、必ず、インクを抜いて、洗浄してから保管するようにして下さい。
文字が擦れる、インクが出ない等のトラブル
特に使い始めたばかりの万年筆では、時々、インクが出ず、擦れたりする現象が良く見られます。
このような現象は、万年筆を使い続けて馴染ませる事で、改善する場合もありますが、次の方法を試してみるのも良いと思います。
まず、インク変えるのも1つの方法です。インクは、メーカーや色によって性質が異なり、インクフローのあまり良くないインクもあります。
顔料系インクやブルーブラックインクの中には、あまりインクフローが良くないものも多いですので、ご注意ください。
同様に、使用する紙によっては、インクの擦れや途切れが発生する場合もあります。
ある日突然、インクの擦れや途切れが発生した場合は、ペン先の洗浄をお試しください。
インクの成分で、ペン芯が目詰まりするとインクの出が悪くなります。
万年筆店にペン先の調整に持ち込んだり、万年筆メーカーが全国を巡って開催しているペンクリニックで調整してもらうのも1つの方法です。
ペンポイントやペン先の切り割りの開き方に問題を生じた場合や、ペン先とペン芯の密着に問題がある場合は、調整、修理以外では改善できません。
長年使い込んだ状態の書き味を、直ぐに出したい場合も、ペン先の調整が有効です。
セーラー主催のペンクリニックでは、モンブランを除いて、持ち込む万年筆はセーラーのものでなくともOKですし、部品代が発生する場合を除いて無料です。
セーラーのペンクリック日程
パイロットもセーラー同様に、ペンクリニックを開催していますが、日程は公開されておらず、開催の告知は開催店舗が行います。また、対象は原則としてパイロットの万年筆に限定されます。
パイロット製の万年筆の場合、東京のパイロット本社にある「ペンステーション」でも有償になりますが、リーズナブルな料金で調整してもらえるようです。
・パイロットペンステーション
受付時間:月~金 9:30~17:00(祝日、年末年始、お盆を除く)
電話:03-3538-3840
モンブランも、全国の主要モンブランブティックにてリペアクリニック(ペンクリニック)を定期的に開催しているようですが、開催の告知はモンブランブティックが行うようで、日程は公開されていません。
対象はモンブランの万年筆に限られますが、無償でパーツまで交換してくれるようですので、参加する価値はあるようです。
インクの入れ方
カートリッジインクをお使いになる場合は、カートリッジインクを首軸の中の細い軸に差し込みます。この細い軸を痛めない様に、真っ直ぐに差し込むようにしましょう。
カートリッジインクを使用した場合、ペン先までインクがまわるまでに暫く時間が掛かります。
どうしてもインクが出ない場合は、呼び水として、ごく軽くペン先の先端を水に付けると良いでしょう。
両用式やコンバーター内蔵タイプの万年筆では、市販のボトルインクを使用する事も可能です。
ボトルインクを吸入する場合は、下記の手順で行ってください。
- 1.首軸の先端がインク入る程度まで、ペン先をインクの中に入れます。
- 2.コンバーター等を操作して、インクを吸入します。
- 3.一旦、吸入したインクをビンに出して、ペン先内部の空気を完全に追い出します。
- 4.再度、インクを吸入します。
- 5.コンバーター等を微妙に操作して、数滴インクを落とします。
- 6.ティッシュなどをぺん芯に当てて、余分なインクを吸い取ります。
- 7.首軸に付いたインクを拭き取ります。
インクを吸入した後、ぺん先をティッシュで拭き取ると、ペン先が傷付く場合があります。余分なインクは、ぺん芯にティッシュ等を当てて吸収して下さい。
万年筆のお手入れ
万年筆を長くお使い頂くためには、定期的なお手入れが欠かせません。
少なくとも、3ヶ月に1度は、以下の手順での洗浄が必要です。
ご使用になられるインクによっては、更に頻繁なお手入れが必要になる場合も御座いますので、インクの説明書にも目を通してください。
当店の販売する万年筆は、コンバーター等のインクの吸入機構を持っています。
このインクの吸入機構を利用して、インクを入れる時と同じ要領で、コップの中の水を吸い上げては、吐き出す操作を繰り返し、内部を洗浄します。
インクの色が出なくなったら洗浄完了です。
余分な水分を拭き取れば、直ぐにインクを入れてOKですが、残った水分でインクが薄くなる事もあります。
気になる場合は、陰干しして乾燥させて下さい。
汚れが激しい場合や、使用するインクを変える場合は、もう少し、念入りに洗浄する必要があります。
下記の洗浄方法は、吸入機構を利用した洗浄を行って、ある程度汚れを落としてからから実施してください。
以下の手順は、コンバーターが取り外せる両用式の万年筆の場合のものです。
- 1.コンバーターを外して、主軸とペン先のみをぬるま湯に付けて暫く放置します。
- 2.吸入機構を利用して、水を吸入しては吐き出す動作を繰り返し、浮いた汚れを吐き出させます。
- 3.綺麗になるまで、一連の流れを繰り返してください。
コンバーター内蔵タイプの場合は、ペン先と首軸の一部が、ぬるま湯に浸かるようにすると同様に洗浄が可能です。