Window Mobile 2003 Pocket PC Phone (SE)搭載端末の日本語化にあたって
「Windows Mobile 2003 Pocket PC Phone (SE)」を搭載したスマートフォンを日本語化する手順を紹介します。「For Smartphone」は対象にはなりません。「For
Smartphone」では、日本語の表示まではできても、対応するSIPが存在しないため入力ができないようです。
ここで言う日本語化とは、日本語の表示、入力を可能とすることを指します。日本語版のWIndows Mobileと同等になるわけではありません。
また、ここでご紹介する手順を実行した結果、不利益が生じた場合でも当店としては責任を負いかねますので、あくまで自己責任でお願いします。
日本語化の概要
「Windows Mobile 2003 Pocket PC Phone (SE)」を搭載したスマートフォンを日本語化するには、以下の様な手順が必要です。
- 1.「windows」ディレクトリ下の「wince.nls」というファイルを日本語対応のものに差し替える。
- 2.日本語を含むフォント(ttf、ttc)を導入し、レジストリを変更して導入したフォントを関連づける。
- 3.日本語入力をサポートするSIP(IM、FEP)をインストールする。
ちなみに日本語・中国語化など、多言語化の要領も同じです。多言語対応した「wince.nls」、対象となる言語の文字を含むフォント。対象となる言語のSIPが必要です。
※SIPとは、言語の入力手段。つまりIM、FEPなどと同じ意味と考えてください。
なお、日本語化するとメモリをそれなりに消費しますので、
搭載メモリの少ない機種ではメモリと相談しながらに日本語化になると思います。場合によっては厳しい場合もあります。特にフォントは、サイズの大きなものが多いので、使うフォントを選ぶことでメモリの無駄遣いが避けられます。(ttcよりttfなど。)
1.Effy-Japanese3.1をインストールする
「TIME SPACE SYSTEMS」が販売する「Effy-Japanese3.1」を使用した日本語化をご紹介します。
「Effy-Japanese3.1」は、日本語対応の「wince.nls」、日本語フォント、日本語SIPなど日本語化に必要なファイル・ツール・手順をすべて備えています。
これ1つで日本語化が可能と言う大変便利なソフトウェアです。
※姉妹品に日本語以外に中国語、韓国語などの言語にも対応可能な多言語バージョンもあります。
「Effy-Japanese3.1」には、お試し版もありますので、心配な方はお試し版で動作を確認してみましよう。
※「Effy-Japanese3.1」には、フルキットの他、フォントを含まない「Effy-Japanese3.1
no-font」も存在します。「Effy-Japanese3.1 no-font」を使用される場合は、別途、日本語を含むフォントの導入が必須となります。
※「Effy-Japanese3.1」の製品ですが、現行のスマートフォンの多くは、動作確認リストに入っておりません。
不具合が出た場合は、自己責任となります。
◆インストール
※作業の前に、「xBackuo」等でバックアップを作成することをお勧めします。
「Effy-Japanese3.1」はPC上から「Microsoft
ActiveSync」経由でインストールする使用になっています。PC上に「Effy-Japanese3.1」をダウンロードして、実行するとインストールが始まります。
折角ですからこの機会に「Microsoft ActiveSync」もMicrosoftのHPから日本語版をダウンロードし、置き換えておきましょう。
「Effy-Japanese3.1」をインストールを完了し、再起動(リセット)すると日本語の表示、入力が可能となります。
◆使ってみる
Today画面で日本語が表示できています。
「Settings⇒System」を見ると、独自の「Regional Setting」が追加されてますが、標準の「Regional
Settings」も残っています。
「Effy-Keyboard(JP)」(中)と「Effy-BigKey(JP)」(右)が日本語入力可能なSIPとして追加されます。
「Effy-Keyboard(JP)」(中)はよくある仮想キーボード方の入力、「Effy-BigKey(JP)」(右)は
手書きに近い特殊な入力方法となっています。


標準のエディタ「Notes」(英語版)で日本語入力を確認。
残念なことに、日本語の変換は決して優秀ではありません。また、ファイルをリスト表示すると一部表示されなかったりします。
(左、一番上のファイル名は本当は「データ」。)
「Effy-Keyboard(JP)」と「Effy-BigKey(JP)」は、ハードウェアキーボードをサポートしていないため、
O2 XdaIIsなど、キーボード搭載機種では日本語のキーボード入力ができません。
フォントも好みの分かれるところでしょう。

「Effy-Editor」なるエディタも「Programs」に追加されます。(左)
「Effy-Editor」からリストを表示(右)。ここでも「データ」はきちんと表示されていない。でも、これぐらいにサイズだと、付属のフォントも見易いかも。

標準のメーラー「Messaging」(英語版)でE-mailの送受信も試してみる。とりあえず文字化けはない。


「Internet Explore」は標準の設定では日本語サイトを参照すると文字化けします。「Tools⇒Opitions」で「Default
character set」を「Japanese(Auto-Select)」に変更しましょう。

◆Effy-Japanese3.1の購入方法
GoodCrew Leche ダウンロード版 2,782円(税込)
他にもダウンロード版を購入できるサイトあり。
◆総評
日本語SIPが使いづらい。フォントが好みの分かれるところ。という難はありますが、現状、「Effy-Japanese3.1」の日本語化のベースとなるソフトウェアで、価格以上の価値のあるものだと思います。
ちなみに「Effy-Japanese3.1」をインストールして導入される「wince.nls」は日本語以外に中国語や韓国語もサポートしているようです。未検証なので真相は分かりませんが。
2.追加でSIPを導入する
「Effy-Japanese3.1」に付属するSIP「Effy-Keyboard(JP)」と「Effy-BigKey(JP)」は、
あまり日本語変換が優秀ではないという欠点があります。また、ハードウェアキーボードをサポートしていないため、
キーボード搭載機種では、折角のキーボードが日本語入力に利用できないという欠点もあります。
いづれにせよ。日本人が使うとなるとそれなりの変換精度が必要です。
日本語変換が気になる方は、フリーのものを含めて何種類かの日本語入力用のSIPが出ていますので、
好みのものをインストールしてみましょう。
多言語化も要領は同じで、その言語のSIPを用意すれば良い。ただし、「wince.nls」がその言語をサポートしていないとNG。
2−1.追加でSIPを導入する(Atok for Pocket PC編)
ご存知、日本語入力で定評があるJustSystemの「Atok」のPocket PC版です。
「推測変換」機能を搭載し、ハードウェアキーボードにも対応したSIPで製品ですがその価値はあります。
※JustSystemのアナウンスでは、「Pocket PC 2003 SE未対応」となっています。
実際、「Windows Mobile 2003 SE」搭載のスマートフォンの場合、インストールしただけでは動作しません。
レジストリの変更が必要になります。
「Windows Mobile 2003」搭載端末の場合は不明です。インストールは、自己責任でお願いします。
◆インストール
1.「Atok for Pocket PC」はPC上から「Microsoft ActiveSync」経由でインストールする使用になっています。
PC上に「Atok for Pocket PC」をダウンロードして、実行するとインストールが始まります。
インストールを完了し、再起動(リセット)すると完了です。
2.しかし、「Windows Mobile 2003 SE」搭載のスマートフォンの場合、この時点では正常に動作しません。
レジストリエディタを使用して、レジストリを下記のように書き換えます。
※フリーのレジストリエディタ「TRE
Pocket PC」などを使用して下さい。検証した環境では「TRE
Pocket PC」で複数のキーを追加すると登録されなかったり、予期しない場所に登録されたケースがありました。
その場合は、面倒でも、1つキーを登録する毎に再起動(リセット)を実行すればOKでした。
・変更内容
1.キー[HKEY_CURRENT_USER\Software\JustSystem\ATOKIMM]を作成。
※キー「ATOKIMM」は存在しないので作成する。
2.キー「ATOKIMM」直下に次の値を作成。
タイプ:
文字列
名前:IMEFILE
データ:atokpw.dll"
3.キー[HKEY_CURRENT_USER\Software\JustSystem\ATOKIMM\UPDATE]を作成。
※キー「UPDATE」は存在しないので作成する。
4.キー「UPDATE」直下に次の値を作成。
タイプ:dword
名前:Count
データ:00000000(0)
※()内は10進数表記。慣れない人は16進数より10進数で入力した方が確実。
5.キー[HKEY_CURRENT_USER\Control Panel]を作成。
※キー「Cntrol Panel」は存在しないので作成する。スペースなしの「ControlPanel」は別物。
6.キー[HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Input Method]を作成。
※キー「Input Method」は存在しないので作成する。
7.キー[HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Input Method\Hot Keys]を作成。
※キー「Hot keys」は存在しないので作成する。
8.キー[HKEY_CURRENT_USER\Control Panel\Input Method\Hot Keys\00000030]を作成。
※キー「00000030」は存在しないので作成する。
9.キー「00000030」直下に次の3つの値を作成。
タイプ:dword
名前:Ime
データ:e0010411(-536804335)
タイプ:dword
名前:KM
データ:0000c400(50176)
タイプ:dword
名前:VK
データ:00000019(25)
※()内は10進数表記。慣れない人は16進数より10進数で入力した方が確実。
10.キー[HKEY_CURRENT_USER\Keyboard Layout\Preload\1]以下の値、
名前「Default」の データを"e0010411"に変更。
3.再起動(リセット)します。
4.実は、不具合があり、「定型文」入力が機能しません。Justsystemから修正プログラムが出ていますので、インストールします。以上で完了です。
◆使ってみる
「ひらがな/カタカナ」(上中)、「英数」(上右)、「手書き」(下左)、「定型文」(下中)、「文字一覧」(下右)の5種類の入力方法が含まれています。




入力してみました。良い感じです。ハードウェアキーボードからも入力できます。
◆Atok for Pocket PCの購入方法
ジャストシステム直営ECサイト パッケージ版 7,140円(税込)、ダウンロード版 5,565円(税込)
他にもダウンロード版を購入できるサイトあり。
◆総評
製品版だけの事はあり、満足な仕上がりです。ハードウェアキーで入力の切換ができると、殆ど操作がハードウェアキーででき、もっと良いのですが。
(やり方を知らないだけかも知れません。)
2−2.追加でSIPを導入する(PQBox編)
PQBoxはPOBoxという日本語変換ツールを元に作成されたフリーの日本語入力SIPですが、変換精度などに定評があります。
また、ハードウェアキーボードをサポートしていますので、
キーボード搭載機種のユーザーにお勧めです。
◆インストール
1.PQBox PockePC対応版をダウンロード(Arm版をダウンロードする。pb064armも動作します。)し、
PQBox.exe、PQBox.keyをスマートフォンの適当なフォルダにコピーする。
※PQBoxには、辞書が付属しませんので、別途用意する必要があります。
2.辞書をインストールする。
・PQBox用の辞書(128分割)をインストールする。
スマートフォンのルートディレクトリに「dic」というフォルダを作成し、その下に「words」、「phrases」フォルダ作成します。「words」フォルダにwordsファイルを「Phrases」フォルダにPhrasesファイルをコピーして完了です。
※配布されているPQBox用辞書は、dicフォルダに収まった状態であることが多く、その場合は、そのままルートディレクトリにコピーすればOKです。
・POBox用の辞書をPQBox用(128分割)に変換してインストールする。
PC上で
辞書ツール(Win32版)を利用して、POBox用の辞書をPQBox用に変換し、
スマートフォンのルートディレクトリに「dic」というフォルダを作成し、その下に「words」、「phrases」フォルダ作成します。「words」フォルダにwordsファイルを「Phrases」フォルダにPhrasesファイルをコピーして完了です。
・POBox用の辞書(16分割)をそのままインストールする。(要設定ファイルの変更)
スマートフォンのルートディレクトリに「dic」というフォルダを作成し、その下に「word」、「phrase」フォルダ作成します。「word」フォルダにwordファイルを「Phrase」フォルダにPhraseファイルをコピーする。
適当なフォルダにコピーした「PQBox.key」をテキストエディタで開き、下記の行の先頭の「#」を消去し保存。
#MAXDIC = 0x10 #16分割辞書を使用する(Word/Phrase)
◆起動について
PQBoxは、SIPではなく「アプリケーション」として動作しますので、SIPのように自動起動はしません。
コピーした「PQBox.exe」を実行して起動する必要があります。起動が面倒で使い勝手が悪いので以下のようにすると良いでしょう。
「PQBox.exe」のショートカットを作成し、「windows\Start Menu\Programs」に作成したショートカットを移動します。
※フリーのファイラー「GSFinder+」などでショートカットの作成が可能。
スタートメニューから「Settings⇒System⇒Keyboard」を実行し、「Key Setting」で「PQBox.exe」をキー割当してしまいましょう。以後、そのキーを押せばPQBoxの呼出が可能となります。
◆使ってみる
起動すると、下部のタスクトレイにアイコンが表示される。画面下部に変換候補やメニューが表示される。メニューにはアプリケーションなので「PQBox終了」も含まれている。日本語変換は悪くない。

◆PQBox、PQBox用辞書の入手方法
MONOI-Q PQBox
◆総評
フリーだが、完成度の高い仕上がりになっている。上手く使えば、Atok以上の操作性を実現できるかも。辞書を鍛えれば十分にメインの日本語SIPとしても使える。
3.フォントを変更する
日本語フォントが気に入らない方はフォントを変更してみましょう。
当然ですが、日本語の文字が含まれるTrueTypeフォント(ttf、ttc)の準備が必要です。フリーのフォントもありますので探してみては如何でしょうか。
フォントは、それなりにファイルサイズが大きいので、メモリを節約したいならttc(True Typeコレクション フォント)ではなく、ttf(True
Typeフォント)を導入する方が賢明です。
※多言語化も要領は同じで、その言語の文字を含むフォントを用意すれば良い。ただし、「wince.nls」がその言語をサポートしていないとNG。
フォントの変更にはレジストリの変更が必要ですのでリクスが伴います。フォントの変更は自己責任でお願いします。
◆フォントを変更する
1.フォントファイル(*.ttf、*.ttc)をwindowsフォルダにコピーする。
2.レジストリを変更する。
レジストリエディタで下記のようにレジストリを変更する。
キー[HKEY_LOCAL_MACHINE\Software\Microsoft\FontLink\SystemLink]以下のすべての値のデータを導入したフォントに合わせて変更する。
Osaka.ttcというファイル名のOsakaフォントをインストールしたならば、"\\Windows\\Osaka.ttc,Osaka"に変更。
※導入するフォントによってはこれ以外に修正が必要なケースもあるようです。
※旧フォントファイル名を控えておくと削除する時、探しやすい。
3.再起動(リセット)する。上手くフォントが変ったら成功です。
4.メモリ節約のため、旧フォントを削除しておきましょう。
◆フォントを変更すると
フリーのOsaka系フォントです。

これもフリーのものです。

フォントの変更が恐い人は、「Settings⇒Screen⇒Clear Type」で「Enable Clear Type」をチェックしてClear
Typeに変えるだけでも印象が変ります。(フォントがサポートしていないとダメですが。)

◆フォントの入手方法
検索して探す。
4.最後に
当店では、上記の検証をO2 XdaIIs、T-Mobile MDAIIIなどの一連の互換機、いわゆる「BlueAngel」上で行っています。なお、ベースのOSは、「Windows
Mobile 2003 Pocket PC Phone SE 英語版」です。
基本的に「Windows Mobile 2003 Pocket PC Phone (SE)」を搭載した端末であれば、上記の手法は通用すると思います。後は、メモリと相談しながらになるでしょう。
日本語化の手順が比較的複雑なOSですので、逆に工夫できる点も多いと思います。色々と試してみて下さい。
本ページの著者:住友雅彦
5.関連ページ
当店では、次のようなスマートフォンについてのページをご用意しております。
スマートフォンの日本語化についてのページもご参照下さい。